《フッ素樹脂加工調理器具安全対策協議会》設立準備中)

フライパン等のフッ素樹脂加工(コーティング)に対するQ&

フッ素樹脂加工した調理器具は、フライパンが代表的ですが、外にも様々な調理器具が多く市販されています。

現在、市販されているフライパンは、アルミなどの表面にフッ素樹脂加工されたものが殆どであって、それを使用することが当たり前で必要不可欠になっています。

しかし、消費者には様々な疑問や不安なことが多くありますので、以下にそれらに関する情報等を出来るだけ幅広く取り上げましたので、参考にご覧下さい。

市販のフライパンにはフッ素樹脂加工」と付されたものが多いのですが、ここでは、「フッ素樹脂加工」と「フッ素樹脂塗膜加工」と「フッ素樹脂コーティング」を同意語で表現します。

*コーティングとは、物体の表面に薄膜を付着させて覆うこと。または、簡単には塗装することです。

 

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2    1.  【フッ素樹脂加工・膜に使用するのは、どんなフッ素樹脂?】

3  2.  【フッ素樹脂は、何度の高温まで耐えるか?(使用出来るか?)】

3-1 【使用時の注意は?】

4    3-2 【調理後の注意は?】

4.  【IH調理器具での使用はどうか?】

5.  【空焚きした場合、フッ素樹脂加工・膜はどうなる?】

6-1 【フッ素樹脂加工・膜は、何故、ダメになる?】

5   6-2 【フッ素樹脂加工・膜の耐久性、耐用年数?】

7-1 【フッ素樹脂加工・膜が剥がれたが使用可能か?】

6    7-2 【フッ素樹脂加工・膜が壊れたら修理が出来るか?】

8. 【使用済みのフライパンの廃棄は?】

9.  【フッ素樹脂加工・膜が口に入った場合、大丈夫か?】

7    10.  【熱分解ガスは、どんな物質か?】

     11. 【熱分解ガスを吸った場合、大丈夫か?】

12. 【フッ素樹脂の発がん性は?】

8    13. 【熱分解ガスの物質が食材に移行しないか?】

14. 【フライパンが何か臭う?】

    15. 【フッ素樹脂加工・膜による健康被害事例?】

16-1【フライパンが薄すく、軽いものは?】  

9    16-2【安いフライパンは大丈夫か?】

17. 【外側のフッ素樹脂加工は大丈夫か?】

    18. 【プライマーとは何か?】          

10  19. 【フッ素樹脂加工とフッ素加工の違いは?】 

20. 【マーブルコートは?】

   21. 【色々なフッ素樹脂加工した製品が氾濫】

11   ◎フッ素樹脂加工・フライパンの使用注意点(要点)

  ◎メーカー及び販売業者に対する提案事項

12   ◎スーパーなどで見かけた主な《フライパン・メーカー》

13   ◎フッ素樹脂加工・調理器具に関する様々なホームページ

   ◎フッ素樹脂加工・膜の性能や耐久性のテストが出来る検査機関

◎公的な苦情・相談の窓口

 

1.【フッ素樹脂加工・膜に使用するのは、どんなフッ素樹脂?】

PTFEPFEと言われるフッ素樹脂を使用

・ フッ素樹脂には色々な種類が有りますが、体表的なフッ素樹脂であって最も高熱に強いPTFE(*)やPTFEに匹敵する優れた特性のあるPFA(**)がフライパンなどのフッ素樹脂加工に使用されています。

  多く見られるテフロン加工の「テフロン」は、デュポン社(本社:米国)のフッ素樹脂の商品名です。デュポン社以外のフッ素樹脂も多く使用されています。

・ フッ素樹脂の特徴は、他のプラスチックに比べて特に「熱に強い」「薬品に強い」「非粘着性」「滑りやすい」など多くの優れた特性を持っており、その特性をフライパンなどに活かされています。

唯一の弱点は、強度(機械的)がやや弱いことです。 

PTFE:ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化エチレン樹脂) **PFA:パーフルオロアルコキシアルカン(四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)

 

○フッ素樹脂以外の物質が混ざる

・ フッ素樹脂加工・膜の材料には、フッ素樹脂の他に着色のため顔料が使われており、また、フッ素樹脂以外の耐熱性を有する樹脂(耐熱樹脂*)などを混ぜ合わせてある場合があります。

  *耐熱樹脂には、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルフォン、ウレタンなどがあります。

・ フッ素樹脂に他の樹脂などが混ざると、フッ素樹脂本来の耐熱性やくっ付き難い性能が低下することになります。

 ○フッ素樹脂加工の基準が無い

 ・ フッ素樹脂加工に関して、残念ながら公的の基準が無いのが現状です。 

・ メーカーがフッ素樹脂加工・膜の材料にどの様なフッ素樹脂と他の材料を使用しているか、それらの含有量(率)がどの位なのかは明示していません。

それはメーカー側が公表するか、分析機関で分析する以外は判らないのが現状です。

フッ素樹脂の含有率などについては、メーカー側の表示する必要があると思います。

・ フッ素樹脂加工と表示していますが、材料も加工方法も基準が無いため、現状はメーカーの自由裁量(勝手)と言う事になります。

・ フッ素樹脂の含有量が少ないために十分機能が発揮しないものは、フッ素樹脂加工

とは言えるか疑問です。

 ○フライパンのフッ素樹脂の使用量は

 ・ 大きさが普通のフライパン1個には、通常、約3gの少量で、厚さは約30μ(ミクロン=3/100mm)と薄い膜が加工(コーティング)されています。

 

2.【フッ素樹脂は、何度の高温まで耐えるか?(使用出来るか)

 ○フッ素樹脂の連続使用の耐熱温度は、260

 ・ フッ素樹脂は、連続で使用(可能)出来る高温度は260℃です。

通常の料理の温度は、200℃以下がほとんどです。

例えば、天ぷらは170190℃位、炒飯150170℃位、焼そば180190℃位、ホットケーキ140160℃位です。

   従って、通常の料理で使用する場合にフッ素樹脂は、熱による分解の問題は無いとされています。

 

3-1【使用時の注意は?】

○絶対に空焚きしない、中火で使用、換気が重要

・ フライパンに食材を入れずに使用する「空焚き」をしないことが最も重要です。

火を付けたことを忘れないこと

フライパンを高温にしてから食材を入れることはしないこと。

・ 燃焼ガスや万一の空焚き時の熱分解ガスを排気するために、室内では必ず換気扇を回して換気をすること。

・ 炎がフライパンの底に届く程度の「中火」で使用すること。

  「中火」の定義はありませんが、ガスコンロの炎の先端がフライパンの底に届く程

度。

3-2【調理後の注意は?

・ 熱いフライパンに水を掛けるなどの急な冷却をせず、自然に冷却すること。

 ・ 調理後、速やかに柔らかいスポンジでやさしく洗浄すること。

スポンジ以外の硬いもので洗浄した場合には、キズが付き、膜が剥がれる要因になります。 

 ・ 調理後に洗浄しないで放置しておくと、調味料や油などがフッ素樹脂加工・膜の内に浸透し、それらがその後の調理時に膨張して膜が剥がれやすくなります。 

 

4.【IH調理器具での使用はどうか?】

  IH調理器具に使用できるフッ素樹脂加工のフライパン等が増えてきています。

・ IH調理器具には安全装置が付いてものがありますが、急速に高温まで上昇(わずか1分で400℃を超えるものもある)してしまう場合がありますので、注意が必要です。

・ ガスコンロと同様に高温で熱分解ガスが発生する恐れがありますので、換気扇を回して使用するなど換気に十分注意が必要です。(ガスを使用しないので換気を忘れ易いこともあります)

 

5.【空焚きした場合、フッ素樹脂加工・膜はどうなる?】

 ○有害な分解ガスが発生

・ フッ素樹脂の熱分解は、260℃以上から微量に分解し、温度上昇で徐々に分解が増し、400℃程度から本格的に分解するとされています。10.の「熱分解ガス……」を参照

 ・ もし、空焚きで有害な熱分解ガスが発生した場合でも換気して使用すれば、安全上は問題ありません。  

・ 空焚きよるフッ素樹脂加工・膜の熱分解は、どの位の時間かは、火力の強さ、フライパン地金の厚さによって違うので一概には言えないが、あまり長い時間を要しないと考えられます。

・ 空炊きでフッ素樹脂加工・膜が熱分解した場合は、当然、フッ素樹脂の「くっ付かない」機能は、低下、または、失うことになります。

 

6-1【フッ素樹脂加工・膜は、何故、ダメになる?】

○色々な原因

・ 空焚きによってフッ素樹脂加工・膜は、熱分解して、その良い機能が失われます。

・ 長期間の使用によってフッ素樹脂加工・膜が徐々に摩耗してしまいます。

・ 調理時の硬いターナー(へら)で「引っかき」キズが付き、フッ素樹脂加工・膜が剥がれてしまいます。

(引っかきに強いフッ素樹脂加工・膜をセールスポイントにしているメーカーもあります)

 フッ素樹脂は比較的柔らかい樹脂で、高温の使用では一層、傷付きやすくなります。

・ スポンジ以外の硬いもので洗浄したため、膜が剥がれてしまいます。

・ 調理後に洗浄しないで放置しておくと、調味料や油などがフッ素樹脂加工・膜の内に浸透し、それらがその後の調理時に膨張して膜が剥がれやすくなります。 

 

6-2.【フッ素樹脂加工・膜の耐久性、耐用年数?】

 ○材料と品質の良し悪し

 ・ 使用するフッ素樹脂の材料品質とそのフッ素樹脂加工の製法の良し悪しが、耐剥離

(タイハクリ):密着力、耐傷付き性:高硬度により、耐久性に差があると考えられます。

各メーカーによって、商品には耐久性に差があると思います。

○ 使用方法と使用後の手入れによる

 ・ 例え品質の良いフッ素樹脂加工・膜であっても「空炊き」、「硬いターナーの使用」、「使用後洗浄せずに放置」すれば、本来の耐用年数より短くなると考えられます。

 ○メーカーは回答していない現状

・ メーカーは、消費者からどの位の期間使えるかの質問に対して、ハッキリと回答していないのが現状。

   一部のメーカーは、試験機関などで一定の条件下でテストを行い、何万回の調理に使用が可能と表示しているケースがあります。

・ メーカーが使用期間を保証するのは、消費者の使用方法が千差万別であるため難しいこと言えますが、標準的な使用方法であれば、例えば、1年間程度の使用が可能である旨を参考に示すべきではないかと思います。

 

7-1【フッ素樹脂加工・膜が剥がれたが使用可能か?】 

 ○くっ付きやすいが使用可能 

・ フッ素樹脂加工・膜が剥がれて「くっ付かない」機能が低下、又は、ダメとなっても、単なるフライパンとしての使用することは可能です。

・ また、空焚きによってフッ素樹脂加工・膜が熱分解し「くっ付かない」機能がダメになった場合も同様に使用することは可能です。

 しかし、適時、買換えした方が良いかと思います。

7-2【フッ素樹脂加工・膜が壊れたら修理が出来るか?】

 ○修理費はやや高いが可能

 ・ フライパンのフッ素樹脂加工・膜がダメになったが、愛着が有るので直して使いたい希望があります。

そんな要望に再度フッ素樹脂加工し直すサービスを行う会社があります。

   修理を注文したい方は、以下の会社などに問い合わせてみては如何ですか。

 

 〈インターネットで調べたもの〉

  ◎()ベターホーム協会https://www.betterhome.co.jp/net_shop/repair/repair.php3

   (本部 東京都渋谷区)

  フライパン:フッ素樹脂膜のかけ直し:1,400円程度(目安料金)、柄の直し500円 

  ◎関西技研(奈良県)   http://www.ka-giken.com/youto_katei.html

  ◎大森加工所(三重県)   http://www.za.ztv.ne.jp/dcxdbnu7/

  ◎アルファ技研(岐阜県)  http://www.alfa-giken.net/

 

8.【使用済みのフライパンの廃棄は?】

 ○不燃ごみとしてごみ回収する

 ・自治体において、家庭の通常のフライパンを「不燃ごみ」、「小さな金属類」などとして回収していると思います。その分別法、回収日などは自治体に確認してください。

 

9.【フッ素樹脂加工・膜が口に入った場合、大丈夫か?】

 ○体内では分解されずに排出され、害は無い

・ フッ素樹脂加工・膜に使われているフッ素樹脂は、大変安定した不活性な物質です

ので、仮にフッ素樹脂加工・膜の破片が口から入った場合、体内で分解や化学反応に

より有害な物質を生成することは無く、そのまま排泄されますので人体に害は無いと

言われています。

 ・ マウスに対して、@フッ素樹脂(PTFE)の粒子を餌に混ぜ飼育した実験、Aフッ素樹脂加工・膜を与えた実験があり、その結果はマウスに何ら影響が無い、全く異常は無かったと言われています。

・ フッ素樹脂加工したフライパン等に対して、どうしても安全性に疑問、不安を払拭できない方は、鉄製フライパンや中華鍋を選択した方が良いと思います。

PTFE:ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化エチレン樹脂)

 

10.【熱分解ガスは、どんな物質か?】

 ○フッ素樹脂の熱分解ガスの発生 

(参考)PTFE(四フッ化エチレン樹脂)の場合

  350以上で 微粒子状物資            

430℃以上で 四フッ化エチレン (TFE)

440℃以上で 六フッ化プロピレン (HFP)

460℃以上で フッ化水素 (HF)、        毒性が高い

470℃以上で パーフロロイソブチレン (PFIB)、 毒性が極めて高い

500℃以上で フッ化カルボニル (COF2)、    毒性が高い

640℃以上で 四フッ化炭素 (CF4) 

が発生する。    (『ふっ素樹脂ハンドブック』(日本弗素樹脂工業会発行)より)

 

11.【熱分解ガスを吸った場合、大丈夫か?】   

○ポリマーヒューム熱 (polymer fume fever)の発生

  フッ素樹脂の熱分解ガスを吸引すると「ポリマーヒューム熱」が生ずる場合があると言われています。

・ ポリマーヒューム熱は、「金属熱(metal fume fever)」(溶接工、金属工にみられる金属製蒸気のためにおこる発熱)として知られている症状に似たインフルエンザ状の発熱を発生します。個人差があります。

・ この症状は、ばく露時から数時間して起きますが、特別な手当てをしなくても48時間以内に消滅し、後遺症を残さず蓄積もしないと言われています。 

・ 万一、この症状が起きた場合には、新鮮な空気の部屋で暖かく安静にし、もし悪寒がひどいようなら医師による診断、酸素吸入などの処置を受けてください。

  

 ○ 調理時には、燃料(都市ガス等)の燃焼に伴い、窒素酸化物(NOx)、二酸化炭 

  素(CO2)などをはじめ様々な排気ガスが生じますので注意が必要です。

フッ素樹脂の熱分解ガスによるポリマーヒューム熱の影響だけとは限りません。

    適切な換気をしていれば排気ガスを吸引することはまず無いと思います。   

 

12.【フッ素樹脂の発がん性は?】 

 ○発がん物質は含まない

・ フライパン等のフッ素樹脂加工・膜には、発がん物質は含まれていません。 

  また、いわゆる環境ホルモン物質は含まれていません。 

 (PFOA(パーフルオロオクタ酸及び塩)は、成形されたフライパン等のフッ素樹脂加工・膜には含まれてはいません。)

 (念のため、フライパン等のメーカーに対して、使用原材料を詳しく確認されたら良い。)

 

13.【熱分解ガスの物質が食材に移行しないか?】

 ○食材に移行しない

 ・ 通常の料理ではフッ素樹脂加工・膜の熱分解は有りませんので、調理中の食材への移行は無いものと考えられます。

 ・ しかし、食材が少量の状態で、強火の空炊き状態の場合は、熱分解ガスの物質が食材への移行はゼロとは言えないかも知れないが、人体に害がある程度には至らないと思われます。(実験データは無いと思う)

   心配ならばその食材を食べないことを選択することが良いと思います。  

 

14【フライパンが何か臭う?】

○匂いの素は食材等か 

・ フッ素樹脂にはそもそも臭は無いが、フライ      パンが臭うと気にする人がいますが、フライパンのフッ素樹脂加工・膜内に浸み込んだ食材等の匂いが要因の場合が考えられます。

15【フッ素樹脂加工・膜による健康被害事例?】

 ○人間の被害は特に無い

・ フッ素樹脂加工したフライパンは、永年(米国で1960年、日本1965年から使用)使用されてきたが、特に人体の被害の事例は無いと某メーカーは言っています。  

○小鳥が死んだ報告

 ・ 熱分解ガスで小鳥が死んだとする事例が報告されています。(国民生活センターへ、フッ素樹脂加工のアルミホイルの使用時した事例)

換気していない場合には小鳥では、フッ素樹脂の熱分解ガス以外であって都市ガスの燃焼ガスでも容易に死亡することが有り得ると思われます。

死因についてフッ素樹脂の熱分解ガスが原因かは立証していません。

十分な換気が行われていたら避けられたと思います。

 

16-1【フライパンが薄すく、軽いものは?】

 ○廉価なものは、それなりに

・ アルミが厚手のものは、全体に熱が広がるのに比べ、廉価で軽く薄いものは、炎の当る部分が特に高温になるため、内側のフッ素樹脂加工・膜を破壊するなど耐久性が低く、注意して使用する必要と思います。

 

16-2【安いフライパンは大丈夫か?】

 ○機能と耐久性に疑問あり

 ・ 安い物だから一概にダメとは言えないが、隣国などから輸入品で特に安いものは、コスト的にみても品質の良いフッ素樹脂が使用しているのか、また、十分なフッ素樹脂加工が行われているか疑問があります。

粗悪品で無いか、慎重に検討して購入した方が良いと思います。

 

17.【外側のフッ素樹脂加工は大丈夫か?

 ○外側のフッ素樹脂加工は好ましくなく止めるべし 

 ・ 外側の汚れが取りやすいとして、フライパンの外側をフッ素樹脂加工しているものが、最近、相当増えてきました。

・ 直接、炎が当る外側は400℃以上の高熱となって、フッ素樹脂加工・膜が熱分解する恐れがあります。 

 ・ また、外側の底や側面にフッ素樹脂加工したものは、五徳の上で滑りやすく扱いに注意が必要との指摘もあります。

 ・ 単に外側の汚れ対策のためフッ素樹脂加工する必要性は無く、止めるべきと思います。(外側をフッ素樹脂加工しているメーカーは、安全上問題がないのか、科学的に十分説明すべきです。)

 

18.【プライマーとは何か?】

〇 primer:下塗り

・ プライマーは、耐熱性の高いエンジニアリングプラスチックとフッ素樹脂の混合物です。

・ バインダー(binder固結剤)として、PAI(プリアミドイミド)、PES(ポリエーテルサルフォン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、その他が用いられ、フッ素樹脂はPTFE(*)やFEP(**)のディスパージョン(dispersion、液体状)が使用されます。

  用いられるバインダーによって、フライパンやホットプレートの様に耐熱性が要求される用途、炊飯釜の様に耐蒸気性耐食性が要求される物など、使い分けをします。

・ フライパン等のフッ素樹脂加工の製造工程は、フッ素樹脂が非粘着性であり、フライパンの地金には直接、接着出来ないため、まず、地金の上にプライマーという接着材を加工し、その上にフッ素樹脂の加工を重ね、焼付け処理(焼成工程)をしています。

  PTFE:ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化エチレン樹脂) **FEP:パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂)

 

19.【フッ素樹脂加工とフッ素加工の違いは?】     

公的な定義が無く一般的には以下のように区分されています。

 ○フッ素樹脂加工は、原材料にフッ素樹脂を主体としたもので加工したもの。

 ○フッ素加工は、原材料にフッ素樹脂以外の耐熱樹脂(*)を混ぜた塗料を加工したもので、フッ素樹脂加工より耐熱温度が低くなります。

フッ素樹脂と混ぜる他の材料の割合などは、各メーカーの裁量で行われているため、性能は当然、異なってくると思います。

  *耐熱樹脂には、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルフォン、ウレタンなどがあります。

 (参考)調理器具以外でも以下のような紛らわしいものがある。

  他には、調理器具では有りませんが、次のようなフッ素の名称が付すものが有ります。 

 ○フッ素コート:用途は、洗面、浴槽、便器、自動車等

 ○フッ素塗布:虫歯予防用 *フッ化ナトリウムであって、フッ素樹脂ではありません。

 (シリコーン加工の調理器具も有りますが、それはシリコーン樹脂を加工したものです。)

 

20.【マーブルコートは?】

 ○フッ素樹脂加工では?

・ フッ素樹脂に他の物を多少混ぜて加工した「フッ素樹脂加工」と同類のものと思います。

・ 「マーブルコート」とは何なのか、消費者に対し、フッ素樹脂加工と違うような疑問を与えるので、メーカー及び販売者は、正確に判りやすく説明すべきと思います。

(販売者:潟Iリエント、ワコートレーディング梶A竹原製缶梶A……)

 

21.【色々なフッ素樹脂加工した製品が氾濫】

 ○多くの家電製品、調理器具 

 ・ フライパン以外の多くの調理器具にもフッ素樹脂加工されています。

フッ素樹脂加工されているもので、その表示がない商品も見受けられる。

【フッ素樹脂加工のもの】。

・鍋、すき焼き鍋、炊飯器、・たこ焼き器、・ホットプレート、・ケーキ焼き型、天ぷらパット、・オイルポット、・ロースター、・フライパンカバー、・焼網(鉄線)、・焼肉グリル、・クッキングプレーシ、オーブントースタ用トレー、 ……

 ・ 魚焼き網にもフッ素樹脂加工したものが見受けられるが、直接、金網に炎が当る場合は高温となり樹脂が熱分解する恐れがあり好ましくないと思います。使用する場合は十分注意する必要があります。

【フッ素加工のもの*19参照】:電気ポット、電子レンジ、オーブンなどの内面、……

◎フッ素樹脂加工・フライパンの使用注意点(要点)

 消費者は、少なくとも以下のことをシッカリ注意したら良いと思います。

注意事項

●絶対に空焚きしない。火を付けたらその場を離れないこと。

●中火で使用すること。(炎の先端がフライパン底に届く程度)

●屋内では必ず換気扇を回すこと。 

長持ち条件

●絶対に空焚きしないこと。

●ターナー(へら)は、金属製以外のもので優しく使用すること。

●使用後は、放置せずに直ちにスポンジで洗うこと。

 

◎メーカー及び販売業者に対する提案(要望)事項

  前述のQ&Aを踏まえ、安全・安心の観点からメーカー及び販売業者の担当者に以下のことを提案し、積極的に取り組むことを要請します。

 ●品質の良い安全な製品の提供

・ 直接、炎が当り高温になる外側は、フッ素樹脂加工しないこと。

・ 安全上、地金が薄いもの、また、品質上、フッ素樹脂の含有が少ないものは、製造・販売しないこと。

●使用上の注意事項の説明をハッキリ説明

 ・ メーカー側は、フライパンの柄などに「中火で使う」、「空焚きしない」のシールを貼り、消費者(使用者)が常に使用時に注意出来る様な対策をとること。

●注意説明書に正確に情報の記載を

・ 空焚きによって「有害な熱分解ガス」が発生することを明示して、消費者に使用上の注意を喚起すること。

・ 何層のコーティング(フッ素樹脂加工)だとか、名称では分からない色々な○○コート名を連ね、強度などを強調しているものが有るが、その効果は消費者には全く分かりにくい説明です。メーカー等は、消費者を惑わさない様に配慮すること。

(事業者は消費者の安全を確保、消費者に必要情報を明確に提供する責務があります。

(消費者基本法第5条))

 

◎スーパーなどで見かけた主な《フライパン・メーカー》 

 以下のメーカー、販売業者は、近くのスーパーなど見かけました。外にも沢山ありそう。

●マイヤー、日本マイヤー http://www.meyer.co.jp/  問合わせ:aoyama@meyer.co.jp

  「フジマル」Tel0120-23-3860  http://www.meyer.co.jp/p_fujimaru/index.html 

  SILVERSSTONE」 http://www.meyer.co.jp/p_silverstone/index.html 

グループセブジャパン「ティファールT-fal」  http://www.t-fal.co.jp/tefal/

    Tel0570-077772 修理センター(東京都品川区)

●パール金属(新潟県三条市)  http://www.p-life.co.jp/pearl/ 

 問合わせ:info@mail.p-life.co.jp         

●北陸アルミ 「HOKUAhttp://www2.hokua.com/houseware/ Tel0766-31-3500

●ベターホーム協会 http://www.betterhome.jp/public/index.php

        問合わせ:https://www.betterhome.co.jp/faq/otoiawase.php3         

 ●ダイヤアルミ http://www.daiyaalumi.co.jp/potsandpans/index.htm

 ●オリエント Tel03-3620-3527(東京都足立区)

 ●和平フレイズ Tel0800-800-8588(新潟県燕市)  http://www.wahei.co.jp

 ●ワコートレーディング (新潟県三条市)Tel0256-23-7585

 ●貝印 (東京都千代田区)Tel03-3862-6410   http://www.kai-group.com

 ●イオン(千葉市)Tel0120-28-4196

 ●ダイエー(東京都江東区)Tel0120-24-2509  https://www.daiei.jp/toiawase/form/

  ●アイメディア梶@(広島市)Tel082-262-5531  http://www.almedia.co.jp

 ●竹原製缶(大阪市北区)

 

◎フッ素樹脂加工・調理器具に関する様々なホームページ

 以下の参考になるホームページを見かけました。他にも色々あります。

●フジTV「フッ素樹脂加工なべを傷ませないために」

http://www.fujitv.co.jp/seikatsu/kurashi/katei/j030.htm

●日本フッソ工業

http://www.nipponfusso.com/information/pdfs/no20.pdf#search='フッ素樹脂加 工%20%20フライパン'

●ホームメイト

http://www2.homemate.co.jp/05/life/cooking/wisdom/f_flypan/fl_toku/index.asp?top_flg=&pm=&uq=

●マイヤー http://www.circulon.jp/qa/index.html

http://www.fukuji.net/zaisitu/silibarsuton/silber-stn.htm

●軽金属製品協会(アルミ製フライパン等)

 http://www.apajapan.org/APA2/framepage2.htm

●日本弗素樹脂工業会(フッ素樹脂の素材関係)

 http://www.jfia.gr.jp/

 

◎フッ素樹脂加工・膜の性能や耐久性のテストが出来る検査機関

●財団法人 日用金属製品検査センター (新潟県燕市)

http://www.jmhic.or.jp/

 

◎公的な苦情・相談の窓口

 ●全国の消費生活センター等、国民生活センター

http://www.kokusen.go.jp/map/index.html

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